後継者が最低限知っておくべき自社株知識③
前回まで、後継者が知っておくべき自社株知識として
「①後継者として会社の現状を正しく理解する」
「②課題を見極め、その解決策について方針を決める」
について書いてきましたが、今回は最終回、実行フェーズです。
自社株対策においては、相続による法定相続分などを定めた民法、
定款や議決権について定めた会社法、贈与税・譲渡税などの税法(株価算定については財産評価基本通達)、
時には不動産の権利関係など、多くの法律知識が必要となります。
そのような実行フェーズにおいて、後継者が押さえておくポイントは、
「正しい相談相手(専門家)に相談する事」
「目線の違う2人以上の専門家に意見を求めること」
この2つです。
正しい相談相手(専門家)に相談をすること
税理士や司法書士などの専門家にも得意分野不得意分野があることを理解しなければなりません。
例えば、顧問税理士は法人税の申告を多く手掛けている方で、株価算定など資産税の領域に詳しい人は少ないです。
また、司法書士においても不動産登記を手掛けている人が多く、会社登記を専門にする司法書士は珍しいです。
専門家とお話しする時は「先生の得意分野は何ですか?」と聞いてみるのも一つです。
後継者の立場では、本業をしっかり引継ぐことが最優先であり、専門分野を「専門家に任せる」スタンスが正しいと思います。
ただし、少なくとも「任せる専門家を間違えないように」しなければなりません。
相談相手を間違えていれば、それは後継者本人の責任となります。
目線の違う2人以上の専門家の意見を求めること
法には解釈というものがあります。
同じ法律を読んだ同じ法律の専門家でも、人によって解釈が異なるケースがあります。
これについては、立場や状況によってどちらを選択するか、経営者として判断を迫られるケースもあります。
解釈の違いは、その専門家の経験や考え方の違いから生まれることも多くあります。
今後会社を継いでいく後継者の立場としましては、答えだけを求めるのではなく、
これからお付き合いしていく専門家の方の経験や考え方、信念などを理解しながら、意見を集めるほうがよいと思います。
当社では、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、社会保険労務士など多くの専門家とパートナーシップを結び、
何よりも経営者のご意向を大切にしたスキーム実行を大切にしています。
経営者が納得するまで徹底的に議論し、納得した対策実行を心掛けています。
この記事を読んで、自社株に不安のある方はお気軽にご相談ください。